日本将棋連盟ほか主催の「全国中学生選抜将棋選手権大会」が8月3日と4日に山形県天童市で開かれ、貴志中学校3年の楠本一斗さんが男子の部で頂点に立った。中学生が対象の全国大会は、全国選抜選手権、王将戦、名人戦の3つあり、楠本さんは昨年の王将戦に続き、2度目の全国制覇。「選抜選手権は1年、2年とベスト16で負けていたので、その壁を乗り越えたら勢いで何とかなると思っていましたが、まさか優勝できるとは」と驚きを隠さない。
貴志中3年 楠本一斗さん〜粘りの戦い 逆転呼ぶ
今年、男子の部には都道府県予選を勝ち抜いた52人が出場した。楠本さんが苦戦したのは、予選リーグを勝ち上がり、鬼門だったベスト16も突破して迎えた準々決勝。「『この手を指されると負ける…』というところまで来ました。が、プレッシャーをかけ続けたせいか、相手はその手に気付きませんでした」。準決勝も苦しい展開となったものの、粘りの将棋で逆転勝利を呼び込んだ。
勢いそのままに、決勝は序盤から優勢に進め、危なげなく優勝を決めた。「去年、おととしの経験があったので、『最後まであきらめない』を一つのテーマに指していました」と大会を充実の表情で振り返る。
次に見据えるのは、9月8〜10日に東京で行われる全日本アマチュア名人戦。大人も出場する大会で、楠本さんは2年ぶりに県予選を通過した。「前回は予選リーグで敗れましたが、今年は予選突破、決勝トーナメント1勝が目標。高校3年間のうちにアマ名人を取りたい」と意気込んでいる。
(ニュース和歌山/2018年8月25日更新)