〝災害から子どもと自分の身を守る〟をテーマに母親向けお話会が8月21日、和歌山市で開かれた。講師を務めた2児の母親、木村祐理さんは「災害時に家族が安心できるよう、母親ならではの目線で身の丈に合った備えを日常に取り入れて」と語りかけた。

不安抱える母親向けお話会

 同市を拠点に、野外保育や食育教室などを開くまんまプレイス主催。災害への漠然とした不安を抱える保護者が、災害に自然体で向き合える場をと、阪神・淡路大震災を経験し、子育てに防災の視点を取り入れる木村さんと企画した。

 母子6組が参加し、それぞれが抱える不安を発表。「災害後の食生活が心配」との声に、木村さんは「あえて非常食を用意するのではなく、家族が食べ慣れた賞味期限の長い食材をストックして」とアドバイスした。

 また、「子どもと離れている時に災害が起きたら?」の質問には、「例えば子どもが自分の身体のどこかをさわれば、『ママはここにいるから大丈夫』と思えるおまじないを母子でつくっておく」。また、「普段の散歩で『ここでひとりぼっちになったらどうする?』など想像させ、自分の身を自分で守る力を育む」よう提案した。

 さらに、水道を使わない生活を一日してみたり、ろうそくの灯りだけで過ごしたりと、「平時に家族で楽しみながら体験することが、非常時の安心につながる」と助言した。

 参加した和歌山市の仁坂友美さんは「防災グッズと気負わず、なじみのある物を備える大切さに気づいた。3歳の子がいるので、離れた時でも自分で考えられる子に育つよう、家族全員で向き合いたい」と話していた。

写真=母親たちに助言する木村さん(右)

(ニュース和歌山/2018年8月25日更新)