◆外科
楽クリニック 藤田 定則院長
A. 就寝中のこむら返りは、下肢静脈瘤の患者さんに非常によくみられる症状です。
下肢静脈瘤は、静脈内の血管の弁が壊れたことが原因で発症します。足で使われた血液がうまく心臓へ戻れず、血管内にたまってしまうために血液の流れが悪くなります。このため、夕方や特に就寝中に筋肉が突然異常に収縮し、こむら返りが起こります。
下肢静脈瘤が原因のこむら返りが起こる頻度は、個人差があります。「週に数回」という方から「毎日」という方までおられます。頻繁なこむら返りに悩まれている方には、根本的な治療として手術を勧めています。以前は入院が必要でしたが、医療が進歩した現在では日帰りで手術ができるようになりました。数日後に術後の診察を受けなければなりませんが、入院は不要です。
たまに起こる程度であれば、ふくらはぎを圧迫する医療用弾性ストッキングの着用や、就寝前の十分な足のストレッチなどが有効で、こむら返りが起こったときには漢方薬(芍薬甘草湯)の服用等が良いと思われます。
ただし、こむら返りは、下肢静脈瘤以外の病気が原因の場合もあります。まずは医療機関でご相談ください。
(ニュース和歌山2015年2月28日号掲載)