8月にオープンし3ヵ月。野菜たっぷりのみそラーメンを筆頭に、早くも多くのファンを抱えるのが和歌山市元寺町の入江屋だ。カウンター席のみの11席ながら、100人以上が訪れる日も少なくない。「〝入江ラーメン〟〝入江系〟をブランドに育てたい」。入江孝店長(58)の思いは、ラーメン同様にアツい。
一押しはみそ
──看板メニューは。
「和歌山では少ないみそラーメンです。九州の麦みそ、信州みそをベースに、4種類を混ぜた合わせみそを使っています。これを濃厚な白湯(パイタン)スープに合わせ、コクとうまみを凝縮させました。もやし、にんじん、玉ねぎ、ニラ、キャベツと野菜300㌘以上をラードで炒(いた)めてコーティングしており、最後までアツアツを食べていただけます」
──辛みそラーメンもあるんですね。
「みそラーメンとは違うオリジナル配合の合わせみそに、コチュジャン、トウバンジャンなど入れています。汗をふきながら味わってください」
──しょうゆラーメンも人気と聞きます。
「いわゆる和歌山ラーメンと異なり、マイルドな味わいに仕上げています。スープには刻んで水にさらした淡路産の玉ねぎを浮かべています。スープの熱で甘みが増し、食感も最高。その上に丸太のような100㌘のチャーシューをドーンと。このチャーシュー、日曜は20㌔を用意します」
──使うめんは。
「いずれのラーメンも太目のたまごめんです。太めんはゆで時間が長く、回転率は悪くなりますが、伸びにくく、最後までコシがありますから、迷わず選びました」
──サイドメニューにある〝限定ごはん〟というのは?
「新鮮な魚を入荷できた日だけなんですが、海鮮丼を提供しています。400円で出しており、ほとんどもうけはありません。ただただお腹いっぱいになってほしいだけです」
じいちゃんが一番
──8月8日開店とのことですが、その前は?
「建築業界で5年間、現場監督をしていました。それ以前は飲食関係ですね。魚屋で19年、回転寿司店の店長を6年、お好み焼き店の店長を5年。元々、安くてボリュームのあるB級グルメの食べ歩きが趣味でして、今年1月に前の仕事を辞めた後、半年間、北海道から九州まで全国を回りました。様々な物を食べましたが、やはりラーメンが好きで、昼とおやつにラーメンということも(笑)。ちょうどラーメン店を閉めた知人が道具類を譲ると言ってくれ、『自分が食べたいと思うラーメンを作りたい』と開店を決断しました」
──オープンから3ヵ月です。
「1人で足を運んでくれる女性客も。県外からでは、博多から来られた方が一番遠いですね。年中から小4まで5人いる孫も『おじいちゃんのラーメンが一番』と言ってくれます。〝和歌山ラーメン〟〝家系〟のように、〝入江ラーメン〟〝入江系〟が一つのブランドになるぐらい精進します」
写真=看板メニューのみそラーメン(中=830円、小=680円)
【入江屋】
和歌山市元寺町1-15
昼=11:00〜14:30、夜=17:00〜21:15
㊡水曜
☎073-424-0390
(ニュース和歌山/2018年11月14日更新)