和歌山県が全国2位の漁獲量を誇るタチウオ、どんなに泳ぐか知ってる? 海南市船尾の県立自然博物館で試験的に飼育されている。揖(かじ)善継学芸員は「スーパーでも売られている身近な魚が泳いでいるめずらしい姿をぜひ見てほしい」と呼びかける。

自然博物館 カニの水槽に間借り

 和歌山県内では有田市を中心に水揚げされるタチウオ。揖学芸員によると最近、飼育する水族館が全国的に増えており、県内の生き物を中心に紹介する同館でも展示することになった。

 同館職員自ら和歌浦湾で捕ったタチウオたちは、10月19日からタカアシガニと水槽を〝ルームシェア〟(写真)。タチウオの名の通り、立ったような状態でゆっくり泳ぐ。よく見ると、背びれを波打つように動かしている。

 フェイスブックに動画を載せたところ、興味を持った多くの来館者が。「泳いでいるところを初めて見た」「キラキラ光る体がきれい」と視線を集めている。

 タチウオは飼育が難しい。うろこがないため、捕る際や水槽に入れる際など、わずかなことで肌に傷がついてしまう。加えてエサをなかなか食べず、衰弱死しやすい。揖学芸員は「エサにキビナゴをあげていますが、(11月8日時点で)まだ食べてくれません。何とか大切に育てたい」と見守っている。

(ニュース和歌山/2018年11月14日更新)