◆消化器外科

大腸肛門病専門医 日本外科学会専門医 
        福外科病院 福 昭人院長

 

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 A. ヘルニアとは一般に「脱腸」と呼ばれる良性の疾患で、成人では自然治癒することはありません。加齢とともに下腹部から足の付け根(そけい部)の筋肉組織が弱くなり、その部分からお腹を覆う腹膜が袋状に飛び出す病気です。放置すると腫れが急に硬く痛くなり、指で押さえても戻らなくなると、緊急手術が必要となります。

 治療は手術です。国内における手術件数は年間約18万件で、患者の8割は40歳以上の男性です。従来は、ヘルニアの出口を糸で縫合してふさぐ方法でしたが、現在はポリプロリン製のメッシュ(医療用の布)で傷に緊張がかからない方法がとられます。さらにメッシュも改良が進み、より柔らかく違和感が少ないソフトメッシュが開発されています。

 手術後は、医療機関で差はありますが、基礎疾患に問題が無く経過が良好であれば、その日のうちに帰宅することができます。外科専門医とよくご相談ください。

(ニュース和歌山2015年2月28日号掲載)