昔、干ばつになれば滝壺の水をかすり、現れたウナギを神殿に供えると雨が降った。滝上には、肥料を使うことも牛馬で耕すこともできない水田があった。不動明王に捧げる御饌米を作る田で、役行者が造り上げようとした朝、女の悲鳴がした。行者は怖れて、身を清めて衣を着け、改めて山を越えた。以来、ここでは早朝に歌うことや大声を出すことを忌み嫌った。
『紀伊続風土記』に、「潮の瀧 不動の瀧 聖寳の瀧 下津川の西の方渓に入る事八町に不動堂あり(中略)水増減ありて潮の満干の如くなれは名つくとそ近來山崩れて此瀧は潰れたり。其北を聖寳の瀧といふ高さ十五間幅二間皆壯觀なり」とある。
紀の国名水百選に選ばれ、そばにある一言主神社からの眺望も絶景だ。
(経路…かつらぎ町平の一言主神社から徒歩200㍍)
大上敬史さん作製「和歌山県の滝」で、県内の滝が紹介されています。