プロボクシングの全日本新人王決定戦が12月23日、東京の後楽園ホールで行われ、フェザー級で和歌山市園部のクラトキジム、竹本雄利選手が3度のダウンを奪い、判定勝ちを収めた。県内のジムに所属する選手が全日本新人王になるのは初めて。「昨年春から新人王に向けた試合が続き、他府県のジムへの出稽古など休みなく取り組んできたので、ホッとしました。今年中には日本チャンピオンを目指します」とさらに上を見据える。
「年内の日本王者目指す」
1ラウンド、開始直後は相手の出方をうかがった竹本選手。「『いける』と感じました。チャンスがあれば序盤からいく作戦でした」。言葉通り、まず2分過ぎに得意の右フックで1度目、直後に左ストレートで2度目のダウンを奪った。さらに連打で相手は倒れたが、ここで1ラウンド終了のゴングが鳴った。
2ラウンド以降は打ち合いに。3ラウンドにはパンチを受けた左目がはれ、視界が狭まったが、それでも前に出続けた。「これまでの試合ではロープ際に追い詰められ、パンチをもらってしまう場面があった。今回は絶対に下がらないと決めていました」。このまま5ラウンドを終え、判定の末、3─0で勝利。この日決まった全12階級の新人王で1人だけが選ばれるMVPにも輝いた。
クラトキジムの原田哲也会長は「相手は帝拳ジム所属の東日本新人王。実力者相手に竹本は2ラウンド以降、相手のパンチをかわしてうまく攻撃した。しかし、あくまで通過点。勝ってかぶとの緒を締めよで、日本、東洋、世界とねらっていきたい」と意気込んでいる。
写真=念願の新人王を獲得した竹本選手(左)と原田会長
(ニュース和歌山/2019年1月12日更新)