怖さ:3
山の妖怪
出没地域:鹿ヶ瀬峠
昔、惣七という男が、有田郡と日高郡の境にある鹿ヶ瀬峠へ猪を撃ちに行ったが、その日は一頭も出てこない。追い討ちをかけるように、みぞれまじりの雨が降り始めた。雨宿りの場所を探しながらの帰り道、古びた小屋が目に入ったので、飛び込んだ。そこには老婆がいて、「火に当たりなさい」と言いながら、薪をくべてくれる。安堵した惣七が何気に老婆の方を見ると、老婆が薪を一本くべるたびにその手が倍々に大きくなっていく。惣七はあわてて小屋を逃げ出したという。
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(ニュース和歌山/2019年1月19日更新)