虐待防止協会 家本副理事長に聞く
千葉県野田市で虐待を受けていた栗原心愛さん(10)が死亡した事件で、児童相談所や教育関係者の対応が問題になった。県内の虐待対策と支援について、和歌山子どもの虐待防止協会の家本めぐみ副理事長(写真)に聞いた。
──県内の状況は。
「児相に警察官と弁護士が常駐し、当協会も前向き子育てプログラム、トリプルPを親向けに開いています。県の児相が処理した虐待件数は2017年が1142件で、うち心理的虐待が526件。市町村窓口などの対応数も含めると、もっと多いはずです。施設に入るのは全体の0・5%と、大半の子が家や親戚宅に帰っています」
──必要な支援は。
「特に気をつけたいのは、幼稚園や保育所に通っていない子、あるいは籍があっても長く学校を休んでいる子です。児相や警察がいきなり出てくると親も身構えますから、当事者と行政機関の間に立つ民間支援がもっと必要です」
──できることは。
「まず、暴力を容認しない意識を持つこと。例えば親にたたかれている子を目にした時、周りが『その子が悪いことしたんだな』と思うと、子どもを救う人がいなくなってしまいます。子どもを救うには、親を救うことが欠かせません。周りから白い目で見られると、親は心のシャッターを閉ざし、孤立が進んでしまいます。適切なかかわり方や支援方法をアドバイスするので、心当たりがあれば相談を」
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和歌山子どもの虐待防止協会相談窓口「かがやきポルト わこ」…㊋㊍㊎正午~午後3時、JR和歌山駅前のみその商店街内。わこ(073・425・6626)。
(ニュース和歌山/2019年2月16日更新)