和歌山市立博物館(同市湊本町)の学芸員が地域に出向き、歴史や文化を伝える「おでかけ歴史講座」の第1回が2月28日に同市楠見地区で開かれた。講師を務めた同館の額田雅裕学芸員は「地元の由来を知りたい方は多い。博物館へ来てもらえる呼び水となれば」と期待している。
楠見地区で市博講座
講座は、博物館になじみのない人や来館が難しい高齢者らの元で故郷について語り、愛着を持ってもらおうと企画。自治会や企業など20人以上を対象に、自治会館や連絡所で約1時間解説する。
今回は楠見地区老人クラブ連合会の25人を対象に実施。額田学芸員が地形や紀の川の流れが変化した過程を地図で示した後、大谷古墳や雨が谷古墳群、車駕之古址古墳ほか周辺に多数築かれた遺跡についてふれ、「大谷古墳には20、30代の男性が埋葬されており、馬の体につける飾り金具など朝鮮半島の影響が強いものが多く見つかった」と外来文化を受け入れてきた点を説明した。
中尾純和(すみかず)会長は「博物館には行ったことがなかった。身近にある古墳や神社のことを詳しく知らず、興味深かった」、川崎靖代さんは「子どものころは近所の古墳でよく遊んでいましたが、この地域が特別多いとは驚き、ためになりました」と満足そうだった。
講座は無料。希望団体は同館(073・423・0003)。
写真=講義する額田学芸員(左から2人目)
(ニュース和歌山/2019年3月13日更新)