『紀伊国名所図会』に、「音なしの瀧 滝畑村南の方三町餘にあり、水源は雄の山より出でて滾々たる谷川なり。(中略)清少納言 枕草紙にたきは音なしの瀧」とある。
『枕草子』に、「滝は音なしの滝。布留の滝は、法皇の御覧じにおはしけむこそめでたけれ。那智の滝は熊野にあるがあはれなるなり。轟の滝はいかにかしがましく怖ろしからん」と登場する。
布留の滝は奈良県天理市の桃尾の滝、轟の滝は不明、那智の滝は日本一の那智の滝。音なしの滝とは、『名所図会』の作者は、本宮町の音無川にある滝でなく、京都の大原にある音無の滝でもない、熊野古道雄ノ山峠にある滝こそ音なしの滝だと論じている。春はあけぼの。清少納言が褒め称えたすごい滝なのだ。
(経路…雄ノ山峠、和歌山市滝畑地区にある春日神社の奥)
(ニュース和歌山/2019年3月23日更新)
大上敬史さん作製「和歌山県の滝」で、県内の滝が紹介されています。