新元号「令和」は、なんともかわいらしい響きで和歌山をほうふつとさせますね。また、『万葉集』からの出典とは、平和で穏やかな文化を育んできた日本を象徴する言葉と思います。
歌の解釈は、幾つかの決まり事があるとはいえ、自由で豊かな感覚センスや相手との関係性で変わってきます。和歌が1200年以上の長きに渡り愛されてきた理由は、その時代により、何者も受け入れてきた寛容さがあるからではないでしょうか。平成までは世界中で「自我執着心」が強くなり、自分と異なる人・モノ・文化を受け入れる事ができなくて、いさかいやいじめ、戦争やテロへ向かっていったように思います。時代錯誤かもしれませんが、歌を詠む感覚で歩めば、様々な事と向き合い、広い視野=俯瞰(ふかん)で物事を見る事ができ、平和で争いのない穏やかな時を送れるのではないでしょうか。
そして、選ばれた歌「初春令月、気淑風和」の「令月」は、〝めでたい月〟を意味するそうです。南方熊楠が研究した粘菌がロケットに乗って宇宙へ送られる時代、串本町に日本初の民間ロケット発射場の建設が決まりました。「紀伊山地の霊場と参詣道」は今年、世界遺産登録15周年を迎えますが、世界遺産登録エリアを含む紀伊半島は、今後、少子高齢化、過疎、限界集落へと突き進み、保全と活用の担い手がいなくなってしまいます。そこで、宇宙ビジネス関連の企業を誘致し、人の往来が活発になれば、転勤族や移住者等の定住者が増え、世界遺産を訪れる人も増えるでしょう。そこから保全と活用の担い手が現れるとうれしい限りです。
また、和歌山県内の高校や大学に宇宙工学課程を新設し、技術者を育て、県内既存の企業に資金等でサポートする事で、「メイドイン和歌山」のロケットを造り、民間ロケット発射場から発射できたら、何と楽しくワクワクする事ではないでしょうか。
(ニュース和歌山/2019年4月20日更新)