5月1日㊌に皇太子殿下が天皇に即位され、「令和」の時代が幕を開ける。これに合わせ、ホテルや和菓子店、酒蔵などが即位を祝い、令和にちなんだ品を提供し始めた。
新天皇ゆかりのラーメン アバローム紀の国
2015年、皇太子殿下が宿泊されたアバローム紀の国(和歌山市湊通丁北)は4月30日㊋~5月3日㊎、新天皇陛下ゆかりの和歌山ラーメンを販売する。
皇太子殿下は訪問前、「和歌山のラーメンを」と望まれ、佐藤喜久一郎総料理長(写真)が半年かけて研究した。県産ちりめんじゃこや干ししいたけなどで出汁をとり、湯浅しょう油で作ったスープによく絡むよう、地元製麺所特製の三層になっためんを使用。表面はスープがからみやすく、芯はしっかりしている。佐藤総料理長は「隠し味にさんま節を使い風味を出した。皇太子殿下もおいしいとおっしゃってくださり、同じ年に再度いらっしゃった時もご注文いただきました」。
ラーメンとさば寿司、巻き寿司の「令和改元特別セット」で1000円で販売(1日100食)。
また、皇太子殿下に提供した料理を同じ食器で楽しめるロイヤルディナーコースを5月1日㊌~7月31日㊌、1日1組限定で用意する。特典として、殿下が宿泊されたスイートルームペア宿泊券をプレゼント。1人2万2680円。詳細は同ホテル(073・436・1200)。
新元号祝う紅白和菓子 紫香庵と総本家駿河屋
新元号発表の翌4月2日に生菓子「令和」を発売したのは和歌山市七番丁の紫香庵。老舗の総本家駿河屋は5月1日㊌~3日㊎の3日間、記念菓子「祝い鯛」を売り出す。
紫香庵の「令和」は、典拠となった「梅花の宴」にちなみ、県産梅のペーストを練り込んだあんをぎゅう肥で包み、日本的な優しさを丸い形で表した。ぎゅう肥の白とあんの薄ピンクで紅白とし、金粉をあしらって豪華に仕上げた(写真)。
発売以降、「話題性がある」「贈り物に」と100個まとめて注文する人も。第2弾として改元までに、「令和」の文字を焼きつけたまんじゅうの販売を計画する。須賀良知社長は「冬の寒さに耐えて花を咲かせる梅にふさわしく、思いやる気持ちなど日本人の良さが出る新時代になってほしい」と期待を込める。
205円。午前8時~午後6時。無休。同店(073・426・3250)。
駿河屋の「祝い鯛」は生菓子の一つ、薯蕷(じょうよ)まんじゅうで、鯛の木型を使ってめでたさを表現。山芋を混ぜた生地とこしあんはしっとりした口当たりで、紅白の2色セットにし、専用箱に入れて販売する。「菓子文化の中でお祝いの気持ちを最大限に表した。食べてくれる人と一緒に祝福ムードを分かち合いたい」と同社。
648円。直営全店で400個限定販売。また、1日から「令和」の文字をあしらったたまごせんべいを、各店の購入者に配布する。先着2800個。同社(同477・7151)。
写真=駿河屋の「祝い鯛」
梅の祝い酒に限定ラベル 中野BC
県特産の梅が詠まれた万葉集の「梅花の歌」から新元号が付けられたことにちなみ、海南市藤白の酒造メーカー、中野BCは令和のラベル入り梅スピリッツ「香雪─KAYUKI」と梅酒「紅南高」を4日に発売した。
昨年11月から販売する香雪は梅酒を蒸留させたスピリッツで、凝縮した梅の華やかな香りが特長。今年3月にフランスで開かれた国際コンクールで金賞を受賞した。名前の「香雪」は梅の別称で、「梅花和雪香(去りゆく冬と訪れる春の喜び)」という禅の言葉に由来する。
一方の「紅南高」は、南高梅の中でも太陽がよく当たり、青梅の3分の1以上に紅色がついている希少な実を使用した、色も味も濃い梅酒。同社の梅酒の中でも人気が高く、祝い酒として購入する人が多い。
営業企画課の柏木千陽さんは「梅に縁深い元号で、社内は活気づきました。令和ラベルに、新たな時代を一緒に盛り上げていきたいとの願いを込めています」と話す。
香雪は700㍉リットルで3780円。紅南高は720㍉リットルで1905円。同社かHPで販売。同社(073・482・1234)。
写真=特別な日の酒として、祝いの席でも重宝される「香雪」と「紅南高」
梅とうぐいすヘッドマーク 和歌山電鐵
梅といえば、貴志川線を走る「うめ星電車」。和歌山電鐵は16日、うめ星電車に〝祝・令和〟の文字と梅の花、うぐいすの絵をあしらったヘッドマークを取り付けた。
2016年から貴志川線を走るうめ星電車は、県特産の南高梅をモチーフにした企画電車。ヘッドマークに加え、上部にうぐいすのマスコットを付けた。同社は「梅と言えばうぐいす。縁起の良い、切っても切り離せないものとして昔から使われています。令和の幕開けに、よりよき時代が続くよう祈ります」。
5月31日㊎までの予定。運行時間は和歌山電鐵HPで。
写真上=正面にヘッドマークを付けた車両、同下=うぐいすのマスコット
天皇陛下御即位奉祝御記帳所
◎和歌山県庁本館=5月4日㊏と5日㊐午前9時~午後5時45分
◎和歌山市役所と各コミセン=5月1日㊌、4日㊏、5日㊐午前9時~午後5時(予定)
◎海南市役所=5月4日㊏と5日㊐午前8時半~午後5時15分
◎岩出市役所=5月1日㊌~7日㊋午前9時~午後5時半
◎那賀総合庁舎(岩出市高塚)=5月4日㊏と5日㊐午前9時~午後5時45分
◎紀の川市役所=5月4日㊏~7日㊋午前8時45分~午後5時半
◎紀美野町役場=5月4日㊏と5日㊐午前8時半~午後5時15分。
記念行事
◎改元記念符の配布
5月1日㊌午前9時、和歌山城天守閣楠門。
先着2000枚。天守閣入場料大人410円、小人200円
◎和歌山城ワンワンワンデー
5月1日㊌午前9時半~10時、午後1時半~2時、天守閣前広場。
和歌山城公園動物園で飼育されている紀州犬、皐月と絢芽とふれあい、記念撮影ができる。無料。申し込み不要。
和歌山城天守閣(073・422・8979)。
◎令和元年、万葉のふるさと玉津島で祝う
5月1日㊌、和歌山市和歌浦中の玉津島神社。
午前10時から和歌浦地区の万葉歌碑巡り、正午から「豊栄の舞」奉納や、声楽家、西浦晴美さんによる万葉歌コンサートがある。無料。先着100人に和歌浦せんべいを贈る。
1日〜5日㊐は同神社大広間で和歌浦古写真展と、小中学生の奉納書道展「令和」がある。
玉津島保存会(073・447・2660)。
◎万葉玉手箱
5月26日㊐午後1時半、和歌山市和歌浦中の和歌山県公館。
紀伊万葉ネットワーク主催。近畿大学名誉教授で同ネット会長の村瀬憲夫さんが「梅花の歌三十二首題詩解説」、同ネット幹事の宮田紀美子さんが「万葉の人々の生きた時代 言霊と人々」と題して話す。
資料代300円。希望者は24日までに木綿さん(FAX073・455・1203、メールhqg02133@nifty.com)。定員25人。
(ニュース和歌山/2019年4月27日更新)