生鮮食品や弁当などを配達する海南市亀川地区の店をまとめた冊子「亀川宅配カタログ」が完成し、4月から地区内で配布されている。作成した「亀川ささえ愛」の会長、妻木茂さんは「地元の商店を大切にしながら、買い物に困っている人を助けたい思いで作った。地域で交流が生まれるきっかけになれば」と笑顔を見せる。

亀川ささえ愛 地元商店まとめる

 自治会や民生・児童委員協議会、老人会などの会員約20人で2年前に結成した団体。分譲地や賃貸住宅が増え、住民間の関係が希薄になる中、顔の見える関係を築き、近所で支え合う仕組みづくりに励んでいる。

 まちの困りごとを調べる中、スーパーやコンビニがなく、高齢者や妊婦ら買い物に困っている人がいることに着目。亀川中学校の生徒が授業で調べた地域の課題や解決方法からヒントを得て、カタログを作成した。

 この冊子では、惣菜や日用品を販売する商店、500円の日替わり弁当を届ける喫茶店、大正13年創業の鮮魚店といった、地元の7軒を紹介。店主や商品の写真、同校美術部員が描いたイラストを入れ、開いて楽しいカラフルな内容に仕上げた。掲載店に電話すれば、自宅まで商品を届けてくれる。

 同地区2000世帯に配布し、店や公共施設にも設置した。「近所にこんなお店があるなんて知らなかった」「乳幼児がいて外出が難しいため、宅配はありがたい」と好評だ。同会の谷口功さんは「将来、地元にお店がなくなれば、困るのは住民である私たち。宅配のほか、カタログを手に店へ足を運んでもらえれば顔見知りになり、見守りや災害時の助け合いにつながる」と期待している。

写真=完成したカタログを囲む亀川ささえ愛のメンバー

(ニュース和歌山/2019年5月11日更新)