50歳以上、演技や歌、ダンスが未経験であることが入団条件の「シニアミュージカル発起塾」。和歌山校で学ぶ「和歌山うめ組」が設立20年の節目を迎えた今年、5月25日㊏の公演で活動に幕を下ろすことになりました。最後の舞台を控え、20年間、共に活動してきた鎌田千枝さん(76)、玉井幸代さん(79)、松本稔代さん(77)に話を聞きました。(文中敬称略)

20年続いた絆

鎌田千枝さん・玉井幸代さん・松本稔代さん

──20年前、発起塾に入られたそうですね。

 鎌田「私は演技や歌、ダンスをしていたら認知症になりにくいかと思って。でも、こんなに続くと思ってませんでした」

 松本「退職の2年前で、何か打ち込めることがないか考えていたとき、シニアミュージカルを知り、飛びつきました」

 玉井「たまたま新聞で見たのをきっかけに入りました。この20年間、普段の生活の中ではできない様々なことを役でさせてもらいました。シスターにおばけ…」

 松本「…魔女、海賊…。網タイツで踊ったり、AKB48のような衣装で出たりも。最初は観客の顔を全く見られないぐらい緊張していましたが、慣れた今は恥ずかしいと思わなくなりました。水着で舞台に立ったことも」

 鎌田「その時、私は浮き輪で体を隠してましたね(笑)。思い出は多いですが、みんなとの絆がここまで続いたのが一番うれしいことです」

この年齢でも

──残念ながら、次の公演で活動を終えます。

 鎌田「57〜79歳、平均70歳の女性11人が出演します。人数が少ないので、一つのシーンが終わると次はバックダンサーでまた舞台へ…と大変です」

 玉井「1時間半の公演で、衣装替えが8回か9回あるんですよ。私はもうじき80歳ですが、体にむち打って頑張ります。でも、この年齢でやれるのは体が健康な証拠で幸せなこと。やろうと思えばこの年齢でもできるんだよということを知ってもらいたい」

 松本「20年間見に来てくれる人がいたから続けられた。そんな方への感謝の思いを込めます」

 鎌田「指導してくれた講師、スタッフに対しても感謝でいっぱいです。皆さんへのありがとうの気持ちを胸に、みんなで最後の舞台に立ちます」

写真=左から松本さん、鎌田さん、玉井さん

 

シニアミュージカル発起塾和歌山うめ組公演「花のクッキー売り娘レジェンド」

 5月25日㊏午後6時半、和歌山県民文化会館小ホール。
 女子のあこがれの職業、クッキー売り娘。そのブームの火付け役となり、レジェンドと言われる真鍋しおりは引退後、入院していたが、ある日、昔の仲間を呼び集めて──。
 2500円、当日2800円、小学生1000円。発起塾(0120・86・2615)。

(ニュース和歌山/2019年5月11日更新)