子どもたちがプロの役者と共演するミュージカル「空海〜ちいさな神様と真魚のお話」が6月23日㊐、県民文化会館大ホールで上演されます。主演のちいさな神様を演じる三山姫乃さん(11)は、ストリートダンス、キッズモデルでも活躍する和歌山市の小学6年生。今回の「#イマワカtalk(とーく)」は、初の主演作品に込める意気込みと、今後の展望を尋ねます。

2日間で1200人

──昨年11月に上演された「空海」は今回がアンコール公演。前回はどんな役をしましたか。

 「空海がまだ青年だったころ、とある村でちいさな神様と出会います。青年は神様の悩みを聞くうちに村の危機を知って…という物語で、私はモノノケ役でした。セリフが結構あり、得意のダンスを披露する場面もあって、自信につながりました。2日間で1200人も来てくれました」

──今回、主演の座を射止めました。

 「再演が決まり、改めて『なるべく主演に近い役を』とオーディションに挑みました。主演が決まった瞬間、しばらく信じられませんでした。けど、喜びが責任の重さに変わり、今は稽古に集中しています。セリフを先に覚え、歌やダンス、立ち回り、細かな仕草を詰めています。稽古では、先生はもちろん、共演する同世代からも指摘をもらい、それらをきちんと生かしたいです」

──演じる際、心がけていることは。

 「ちいさな神様は、人に捨てられたのに、だれかが困っていると助けようとする優しい心の持ち主。自分が同じ立場だったらどんなふうに振る舞うか考えます。まだまだ前回の神様を意識してしまい、もっとヤンチャでお茶目な自分らしさを演技に織り込みたいです」

プロと同じ舞台へ

──ミュージカルとの出合いは。

 「小1からストリートダンスを習い、キッズモデルとしてもウェブやカタログ、ファッションショーに出演しています。2年前、学校でミュージカルのワークショップとオーディションのチラシをもらい、興味を持ちました。宝塚歌劇団や劇団四季の経験者から直接指導を受けられる機会は滅多にないチャンスだと思い、申し込みました」

──その魅力は。

 「先生の歌とダンスを初めて見たとき、レベルの違いに圧倒され、演技で意識するところや歌い方も色々あるんだと知りました。『少女とフェンリル』という作品に出演し、自分1人が上手になるのではなく、皆で一つになって成功させる大切さを実感しました。プロと同じ舞台に立てるのも魅力で、『少女とフェンリル』の後に立ち上がった〝銀河の森〟きのくに子ども舞台芸術劇団に入りました」

──いよいよ、公演が近づいてきました。

 「汗だくになって懸命に練習した小4〜高3の約50人が、プロと一緒に舞台をつくります。きっと子どもから大人まで楽しんでもらえるはず。ダンサーやゲストを加えたスペシャルコンサートの第2部もお楽しみに」

──将来は。

 「歌やダンス、何でもできる女優を目指しています。その一歩としてまず、公演を成功させます」

創作子どもミュージカル「空海」

 6月23日㊐午後3時半、和歌山県民文化会館大ホール。2500円、当日3000円、小中高生1000円。同館ほかで取り扱い。〝銀河の森〟きのくに子ども舞台芸術劇団(073・497・0749)。

(ニュース和歌山/2019年6月1日更新)