自立した都市経営へ
紀州まちづくり舎は2017年に都市再生推進法人として認定を受け、〝民間主導公民連携〟をキーワードに活動を進めてまいりました。増え続ける遊休ストックを活用し、小さく経済を動かすことから始め、徐々に大きな動きをつくってきました。その結果もあり、今年、「まちづくり法人国土交通大臣表彰」を受賞させて頂きました。
和歌山市では再開発事業や、大学の誘致など大きなリノベーションの動きと、我々民間が進める小さなリノベーションの動きが盛んに行われております。今後は、行政財産の民間活用とエリアマネジメントをミックスした取り組み、パークPFIの制度を活用して、本町公園とその地下にある市営駐車場の一体管理を進めていきます。
この事業では、公園にある建物を活用したレストラン経営やマルシェイベントの定期開催などを実施することで、地下駐車場の稼働率を向上させ収益を確保し、エリアマネジメントの原資として公園管理や、周辺エリアに再投資していくという計画で進めていきます。元々、不採算で閉鎖してしまった駐車場を再び稼働させることは民間とはいえ、かなりハードルの高い事業でもあります。20年の春、本町公園はこの新しい取り組みをスタートさせます。
自立した都市経営へ向け、仕組みのデザインとして新たなチャレンジをしていきます。このような公民連携事業を紀州まちづくり舎や、他の都市再生推進法人と連携をとって進めていくことで、我々に続く動きを広げ、エリアマネジメントの範囲を拡大していくことができます。
自分たちが住むまちをどんな素敵なまちにしていくか、空き地や空き家が増える時代こそ、もう一度まちをデザインし、欲しい暮らしを手に入れることができるタイミングでもあります。20年の春以降、ぶらくり丁周辺に来た際には、本町公園の地下駐車場を利用してみてください。そしてこれが自立した都市経営への一歩になると思います。
(ニュース和歌山/2019年7月27日更新)