和歌山県と建築士会が相談室
歴史ある建物を未来に残すため、和歌山県は7月5日、「歴史的建造物何でも相談室」を開設した。県建築士会(和歌山市ト半町)が窓口となり、所有者らから活用や保存にまつわる相談を受け付ける。県文化遺産課の御船達雄さんは「建物の歴史や伝統に目を向け、地域で守っていければ」と望む。
築50年以上経過し、一定の価値が認められた建造物を登録する国の登録有形文化財は県内82ヵ所、243件。県建築士会は2013年、地域に眠る歴史的な文化遺産を発見し、地域づくりに生かすヘリテージマネージャー養成講座をスタートし、現在は建築士100人が登録する。
近年は趣きある建物がカフェやイベント会場に活用される一方、管理できず、姿を消してしまう例もある。これまでは市町村が個別に相談を受けていたが、建築士が直接応じることで、耐震改修や活用方法など、より具体的な内容に対応できる。建設時のたたずまいを残す民家や工場に対し、費用面や改修の悩みを聞くほか、価値が認められる建造物へは、文化財登録のサポートを行う。
中西重裕副会長は「身の周りにある建物の価値に気付いていない人も多いはず。相談を通じ、地域の宝を見つけたい」と話す。
無料。同会(073・423・2562)。
(ニュース和歌山/2019年8月3日更新)