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子どもが犯罪に巻き込まれそうになった時の緊急避難所「きしゅう君の家」。通学路にある個人宅や店舗が、助けを求めて来た児童や生徒に代わって警察へ通報する。市町村や各地域の自治会、学校関係者らが警察とともに進める取り組みで、県警のマスコットキャラクター「きしゅう君」を描いた黄色いステッカーが目印だ。 高まる防犯意識 取り組みを始めたのは1997年、田辺署管内の稲成小学校区だった。この年、神戸市須磨区の連続児童殺傷事件や奈良県月ヶ瀬村で帰宅途中の中学生が殺害されるなど子どもをねらった凶悪な事件が発生した。県内でも不審者や模倣犯の情報が寄せられ、防犯ブザーが売れたり、塾の送り迎えをする保護者が増えたりと敏感になっていた。
和歌山市内で最初に取り組んだのは鳴滝地区だった。神戸の事件を受け、自治会役員らでつくる地域安全推進員会が和歌山北署と学校や保護者に声を掛け、6月に緊急集会を開いた。予想した100人を上回る260人が集まった。推進員が「地域で子どもの安全を守ろう」と協力を訴え、賛同した86 の民家や商店が「きしゅう君の家」に名乗りを上げた。 県内16000ヵ所 「きしゅう君の家」開始から17年。これまで、97年10月に女子高校生が男に抱きつかれ、「きしゅう君の家」へ逃げて助かり、2000年5月に男子小学生が男に「逃げたら殺す」と脅され、駆け込んで難を逃れたなど、年に2、3件の利用事例がある。「きしゅう君の家」からの通報で犯人の逮捕、検挙につながったこともあった。 ◇ ◇ 「ニュース和歌山が伝えた半世紀」は毎週土曜号掲載です。 |
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※ニュース和歌山2014年8月23日号掲載
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半世紀No.34 〜 1997年(H9)地域で守る子どもの安全 「きしゅう君の家」5400ヵ所に
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