1月にオープンしたカフェ・ド・バロンは、マリーナシティの結婚式場、ベイサイド迎賓館の元料理長、岡昂司さん(38)がオーナーシェフを務め、ワンプレートで気軽にフレンチを楽しめると評判の人気店だ。「フランス料理は格式が高いイメージを持たれがちだが、もっと身近に感じてほしい」と腕を振るう。
自宅でも映える
──おすすめは。
「ワンプレートランチです。パイ生地に卵やチーズ、生クリームと自家製ベーコンを入れて焼き上げたキッシュ、選べるサンドイッチ、季節野菜のサラダ、スープなどひと皿で色んな味を楽しめます。チーズバーガーに使う黒毛和牛パティやバンズも自家製で、納得できるものだけを出しています。午後5時まで提供しているので、ランチタイムを逃してしまった人に喜んでもらえます」
──こだわりは。
「食材は地元の味を知り尽くしている青果店、精肉店、鮮魚店など、その道で長く経験を積んだプロから仕入れています。その時期に一番おいしいものを、フレンチで生かすことがやりがいの一つです」
──テイクアウト商品は一口で食べられるものが多いですね。
「小ぶりなサイズの生ハムとカマンベールチーズのサンドや、ソーセージをフランスパンに挟んだものなどを取りそろえています。私自身、一口サイズが好きで、色んな料理を作っていても、これを一口で作るとどうなるかをわくわくしながら考えます。お皿を汚さずに最後まできれいに食べきれるのも魅力です。色んな種類を少しずつ楽しめますし、自宅に持ち帰って、皿に並べても映えます。消費増税後の需要にもこたえていきたいです」
──色とりどりのお菓子も並んでいます。
「フランスの伝統菓子のマカロンやカヌレもすべて手作りしています。ドリンクは話題性のあるタピオカやチーズティーが人気です」
素材生かす技法
──出身は。
「和歌山市です。高校卒業後、料理の道に進むため、大阪や和歌山のフレンチレストランで修業しました。24歳の時にベイサイド迎賓館で働き始め、27歳で料理長に。自分の力で勝負したいと、2014年に独立し、気軽に本格フレンチを楽しんでもらえる店、ボナペティを和歌山市黒田にオープンさせました。この店で仕込んだ食材やお菓子をカフェ・ド・バロンで出しています」
──フレンチの魅力は。
「一つの素材を色んな形で表現できるところです。肉なら焼く、骨ならスープ、そのほかはソースに。素材の良さを最大限に引き出す技法があります。盛り付けや彩りなど、目で見て楽しんでもらうのもエッセンスの一つなので、食器類はフランス製にこだわっています」
──店名の由来は。
「〝バロン〟とはフランス語で〝風船〟という意味です。見ると欲しくなり、持つとちょっと幸せを感じる風船のように、この店が皆さんの日々に溶け込んでくれるよう名付けました。場所に合わせてお客さんが求めているものと、自分ができることを組み合わせ、店を発展させたいです」
【カフェ・ド・バロン】
和歌山市太田1-11-13 OEビル1階
11時〜23時 月曜定休
☎073・488・6616
(ニュース和歌山/2019年9月11日更新)