和大紀州研 丸正広告や古写真展示
和歌山の顔として栄えたぶらくり丁の歩みを振り返る企画展「ぶらくりのこれまで・いま・これから」が10月18日㊎まで、和歌山市栄谷の和歌山大学図書館、紀州経済史文化史研究所展示室で開かれている。市街地の変遷をうかがえる史料が訪れた人の目をひきつけている。
紀州藩初代藩主、徳川頼宣による城下町整備で基礎が築かれ、商業地として栄えたぶらくり丁。明治〜戦後と和歌山最大の繁華街としてにぎわったが、バブル崩壊以後衰退した。近年はリノベーションで振興が図られている。
展示は街の歩みを通じて未来を考えるのが目的で、3部構成。「これまで」では内畑衣料が使用していた、1700年代の城下町絵図が入った包装紙や、1835年に鷺森御坊記録所が家一軒ずつの間取りを記した水帳など、江戸期を知るうえで貴重な史料を展示した。中橋から鷺森別院まで続く参道を軸に、戦前の町割を記録した個人作成の珍しい地図も並べた。
また、紀陽貯蓄銀行が1895年に開業した際の広告、1936年に松尾呉服店が丸正としてビルを建設した時に配布した「丸正タイムス」、宮井書店の戦前の広告ほか、明治〜昭和の古写真も多数掲示している。
このほか、江戸時代に本町が和歌祭を支えていた点にも注目。駿河屋が東照宮に奉納した連尺などを通じ、徳川家の御用商人で本町で暮らした茶屋小四郎が果たした役割を紹介している。吉村旭輝特任准教授は「現在、まちなかはリノベーションの過渡期。街の歴史を知ってもらい、未来に向けてどう生かすか考えてほしい」と話している。
午前10時半〜午後4時。㊏㊐㊗休館。同研究所(073・457・7891)。
写真=懐かしの広告や写真が見られる
(ニュース和歌山/2019年9月11日更新)