川口充さん 急逝した出口誠さん追悼
身体障害、言語障害を抱えながら〝kwgch326〟の名で音楽活動を行う川口充さん(52)が10月20日㊐午後2時、和歌山市今福のビンセント療護園で初のワンマンライブを行う。実は幼なじみのジャズピアニスト、出口誠さんと初めて共演する予定だったが、出口さんが8月末に急逝。川口さんは「誠は『頑張って、オレの分まで歌ってくれ』と見守ってくれている気がします」。心の中の親友と共にステージへ上がる。
幼いころから近所の教会で共に神父の手伝いを行う侍者を務めるなど仲の良かった川口さんと1歳下の出口さん。高校卒業後、川口さんは地元和歌山の企業に勤め、一方の出口さんは大阪音楽大学在学中からプロとして活躍し、その後、関東を拠点に活動していた。離れてからも出口さんが年に1度開く帰郷ライブに、川口さんは必ず顔を出してきた。
2010年には2人で曲を作った。川口さんが参加する障害者サークル、 青年学級が35周年を迎えたのを記念し、テーマソング『ありがとう』を作詞。その際、出口さんに作曲を依頼したところ、二つ返事で引き受けてくれた。
今年7月、出口さんが体調を崩し、実家に戻っていると聞いた川口さんは、元気づけようと、2人でのライブを企画した。8月20日、出口さんから「体調が良くなってきたので、ライブの日程を考えておきます」とのメールが届いた。しかし、その5日後、出口さんは天国へと旅立った。
「誠のためにも、一人でやろう」と決めた10月20日のライブは、『ありがとう』をはじめ、13曲を披露。途中、出口さんの帰郷ライブの音源から3曲を流す。川口さんは「誠が亡くなって3週間足らずで、私の父も天国へ逝った。『涙そうそう』『千の風になって』など亡くなった人への思いを歌う曲も披露します。誠の追悼、父への感謝の思いを込めて歌いたい」。歌声を天国へ届ける。
無料。申し込み不要。会場でCD『ありがとう』を1000円で販売。川口さん(kwgch.326@gmail.com)。
写真=左が川口さん、右が出口さん。2015年の出口さん帰郷ライブで
(ニュース和歌山/2019年10月12日更新)