地元児童 保存会から学ぶ

 ♪ねんね根来のよう鳴る鐘はヨ♪ 400年以上前から歌われ、徳川吉宗も親しんだと伝えられる『根来の子守唄』を10月8日、根来小学校の児童7人が子守唄保存会と一緒に練習した。3年の東郷葵さんは「小さいころにお母さんがよく歌ってくれました。大事な歌なので、みんなに聞かせたい」と笑顔を見せる。

 主に紀の川流域で歌われた『根来の子守唄』。歌詞には住蛇池、がりゅう松など根来寺周辺の風景が登場するほか、「行きたいけれど 川おとろし 紀の川がヨ」とこの地域で暮らした人の思いが歌われる。1966年結成の同会は、子守唄を郷土芸能として伝承していけるよう、小学校や保育所で教えるほか、老人ホームで披露する。

 この日、児童らは11月23日㊏に根来寺で行われるかくばん祭での発表に向け、かすりの着物に黄色い帯の衣装を身にまとい、歌に合わせて風車を回すタイミングや、手の振り方などを練習した。小さな人形を背負って踊る2年の田畑真子さんは「着物で踊るのがうれしい。そでをヒラヒラさせるところがお気に入りです」とにっこり。

 保存会の小倉しのぶ会長は「町の歴史が詰まった歌。歌えると自己紹介にもなります。子どもたちの一生懸命な姿や歌声に元気をもらっています」と話していた。

(ニュース和歌山/2019年10月26日更新)