ダウン症と診断された初孫がモチーフの絵本『みらいちゃんのみらい』を、和歌山市の元小学校教諭、西川静代さん(69)が1月15日㊌に出版する。「孫の6歳の誕生日プレゼントに描いた。障害のあるなしにかかわらず、どの子もオンリーワンの大切な命があることを伝えたい」と思いを募らせる。
教員時代、情操教育に熱心だった西川さん。様々な子どもたちとのかかわりから、孫のダウン症も一つの特質と受け入れ、全力で支えると決心した。
物語はみらいちゃんが、お母さんのお腹の中にいるところから始まる。心臓や腸に疾患が見つかり、生まれてすぐの小さな体で手術に立ち向かう。人工呼吸器を着けた体で初めて寝返りをした日、一人歩きをした2歳10ヵ月。他の子より成長はゆっくりだが、少しずつできることが増え、家族は心から喜ぶ──。
生き生きとした表情やしぐさを表現した絵は、西川さんの三女、たなかあいさんが担当した。「小さく弱々しげで、それでも私を見て笑ってくれためいの姿は忘れられない。離れて住む姉が送ってくれる写真を見ながら、愛を込めて描きました」。
和歌山県立図書館、海南市の図書館と小学校に寄贈。西川さんは「どの子も優しい心を持っている。命の教育や生活科の教材に役立ててもらえれば」と期待を寄せる。
B5変形判、23㌻。1320円。宮脇書店ロイネット店ほかで販売。西川さん(073・446・2667)。
(ニュース和歌山/2020年1月11日更新)