小中高校が臨時休校となる中、今年度からタブレット端末を生徒1人に1台導入している和歌山市吹上の和歌山大学教育学部附属中学校は3月3日、インターネットを使った補習を始めた。

 1年生140人のうち希望者を対象に、40分の補習を19日までの㊊〜㊎に毎日2限ずつ行う。国語、数学、理科、社会、英語の復習がメーンで、教室にいる教員が授業を配信し、自宅の生徒はタブレット端末で受講する。遠隔授業向けのテレビ会議サービスはじめ、資料の共有や質問ができるアプリケーションを活用する。

 初日は減災をテーマにした授業と英語を行った。100人以上が参加した減災の授業では、災害時に何を持って逃げるか聞かれた生徒たちが非常持ち出し袋やスマートフォン、ラジオ、ペットなどを家の中から集め、画面越しに見せ合った。また、ゲーム形式で災害時の行動を分類し、ネットを介して少人数グループで意見交換する場面も。教室での授業とは違う雰囲気に、生徒は画面を食い入るように見ながら学習していた。

 受講した石橋実波さんは「早起きしなくても授業に出られるのが良かったです。違うクラスの子とも話せて楽しかった」、石井良憲さんは「学校だと授業中に友達と話してしまうけど、ネットの授業は集中できた」と声を弾ませた。

 同校は普段からタブレット端末で、コミュニケーション能力、協調性、創造力を育てる体験型授業を行っている。情報教育担当の矢野充博教諭は「災害が起こって休校になっても学習機会を提供することが重要。今の状況で、生徒や教員がどこにいても学びが成立する可能性を探れたら」と意気込んでいる。

写真=画面に映った生徒の顔を見ながら授業を進める

(ニュース和歌山/2020年3月7日更新)