奨学金アドバイザーとして活動する和歌山市出身の久米忠史さんが『奨学金まるわかり読本2020』を1月30日、合同出版から出した。「これからの若者は、保護者が経験したより大変な時代に向かっていきます。昔と今では進学事情が大きく異なっているので、保護者には自身の思い込みを捨て、現在、そしてこれからの日本が進む姿を想像して進路を選んでほしい」と願う。
奨学金に関する講演会を年間150回以上行っている久米さん。著書では年々複雑化する奨学金制度を保護者目線で解説した。特に4月から、低所得世帯を対象に拡充される給付型奨学金と、大学、専門学校の学費減免制度について説明。民間や大学独自の特徴ある給付型奨学金をまとめた。
また、これまで保護者や高校生から寄せられた相談を元に、貸与型給付金の借り方や返し方などをQ&A方式で紹介。久米さんは「4月に始まる給付型奨学金拡充などの対象は限られた世帯で、多数を占める中間層は従来通りの貸与型に頼らざるを得ません。貸与型は実質、学生ローンであるため、親子で奨学金のポイントと注意点を理解してほしい」と話す。
A5判、143㌻、1650円。まなびシード(03・5879・7420)。
(ニュース和歌山/2020年3月7日更新)