和歌山市北部の貴志地区を盛り上げる起爆剤になろうと、地区内で働く異業種の男性らが集まり、グループ「貴志快晴!」を2年前に立ち上げた。4月5日(日)には地区内の桜の名所、大年神社(同市梅原)前広場を会場に、「大年桜祭」を初めて開く。仮屋圭輔会長(41)は「人口が増えて活気のある貴志地区ですが、今の子どもたちが年を重ねれば、進学や就職で地域を離れることも多くなると思う。県外に出てもその日だけは帰ってきたいと思えるイベントに育てたい」と張り切っている。
自転車店に植木店、ペンキ店に整骨院、書店、釣具店、居酒屋…。貴志地区で働く様々な業種から集まる「貴志快晴!」には現在、30~50代の男性約20人が所属する。昨年夏、大年神社恒例の盆踊りで焼きそばや金魚すくいの屋台を出し、今後を担う子どもたちのためにと、売上を貴志中学校に寄付した。昨年11月には地区内のノーリツアリーナが本拠地のプロバスケットボールチーム、和歌山トライアンズの応援にメンバーとその家族で駆けつけた。
今回、新たな企画を考える中、地域住民に桜スポットとして愛される大年神社に着目した。国道26号梅原交差点から西へ約100㍍、県道西脇梅原線から境内まで約50㍍ある参道の両脇には24本の桜があり、「桜の季節にはピンクのアーチができるんです」と貴志地区で生まれ育った塩谷明央(あきお)さん(34)。境内では地元の人たちが満開の桜の下で弁当を広げる。
4月5日に開く第1回大年桜祭では、神社前広場に公募したカレーやケーキなどの飲食店ブース、フリーマーケットなど約10店が並ぶ。貴志快晴!メンバーも焼きそばや飲み物を販売する。
新興住宅地のふじと台やイオンモールを含む貴志地区。1985年に約1万2000人だった人口は、今年3月1日現在で2万528人と30年間で8000人以上増えた。メンバーで、地区内の中団地自治会会長も務める新谷寛紀さん(41)は「夏祭りを開く単位自治会もあるが、大きな催しは年間を通してありません。他府県で長く続くだんじりなど地域に根付いたまつりもだれかが始めたもの。50年、100年と続くイベントとし、地域住民がつながるあたたかい町になれば」と思い描く。仮屋会長は「ゆくゆくは桜を増やすため、子どもたちによる植樹も活動に加えたい」と話している。
大年桜祭は午前10時~午後4時。当日は臨時駐車場を設ける。丸山さん(073・454・1027)。
写真=初の大年桜祭に向け気合いが入るメンバー
(ニュース和歌山3月28日号掲載)