怖さ：２
川の妖怪
出没地域：紀の川市
釣り好きの男が紀の川上流で鮒釣りをしていると、年のころなら5～6歳の少年がキャッキャとまとわりつき、「何釣ってんの？」と聞いてくる。男が釣った桶の魚を見せると、うれしそうに少年は指を折ってその魚を数えている。男が少年に「どこから来た？ 釣りが好きなのか？」と問いかけても何も答えず、少年は食い入るように桶の魚を眺めるばかり。そのうち、少年の頬に長いヒゲがぴょんと突き出した。「さては狐か狸が化けて、悪戯でもしようってんだな」と、男が持っていた釣り竿をふりおろすと、少年はパッとその場から消えた。と同時に桶の魚も一匹残らず消えていたという。
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（ニュース和歌山／2020年3月21日更新）
