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 和歌山市相坂の「カフェmoco」は、ショウガランチをはじめ、ジンジャーティーやジンジャーケーキなど、あらゆるメニューにショウガを取り入れた専門店だ。次々と新たな商品を生み出す店主の松本和美さん(62)に、身も心もポカポカと温まるショウガ料理の可能性を聞いた。 (文中敬称略)

ショウガ主役の創作料理

薬味からメーンに

──ショウガづくしのカフェです。

松本 元々は普通の喫茶店をしていたのを2年前、ショウガ専門にリニューアルしました。和歌山産と、1〜5月は高知の土ショウガを使っています。昨年から、ショウガチップスやパウンドケーキなどの商品を、JAわかやまの愛菜てまりっこや有楽町のわかやま紀州館で販売しています。

──ショウガに注目したのは。

松本 料理や食べ歩きが好きで自宅を改装して店を始めたのですが、ショウガは薬味で、メーンにした料理を見たことがなかった。「何かできないかな?」と興味を持ち、創作料理を始めました。本やインターネットで研究し、そのうち高知の専門店や農家にも足を運ぶようになりました。

──ランチはボリュームたっぷりです。

松本 精進料理のようなイメージをくつがえす、メーンの天ぷらとジューシーなシュウマイが好評です。サラダのドレッシング、炊き込みごはんの出汁、味噌汁にもショウガを使っています。

──工夫した点は。

松本 天ぷらは甘みが広がるよう独自製法で辛みをとり、千切りにしてサクッと揚げ、シュウマイはショウガの味が濃厚に出るよう、しぼり汁と刻んだものを合わせて具にたっぷりと入れています。ショウガは刻む、すりおろす、しぼり汁を使う、炊いてエキスをとるなど多様な使い方ができます。

──お客さんの反応は。

松本 低体温で悩む方に「通ううちに体温が上がった」と言われました。ショウガは冷え性の改善に有効。体温が上がると免疫力が高まり、風邪の予防になります。冬はもちろんですが、できれば冷房に悩む女性に、夏場も食べてほしいですね。

ほんまもんの味を

──―ドリンクやスイーツもありますね。

松本 今年は初めてクリスマスケーキを販売します。甘いケーキばかりの中に、少しスパイシーなケーキを用意して女子会なんてどうでしょう。

──―商品へのアイデアはつきません。

松本 同じショウガでも、味、食感の色々な楽しみ方があり、奥深い。手間をかけ、素材にこだわった「ほんまもんの味」で、他にないメニューを生み出したいです。

データ

 【カフェmoco】和歌山市相坂557︱5。火水定休(年末年始は12月30日〜1月7日が休み)。午前9時〜午後5時(ランチメニューは午前11時〜午後2時、前日までに予約)。同店(073・497・6444)。

(ニュース和歌山2014年12月10日号掲載)