「5月、試合会場で皆さんの声援に背中を押してもらいながらプレーできるまで状況が良くなっていること、心から祈っています」──。4月のこのコラムをこのように締めくくりましたが、残念ながら、関西リーグの再延期が決まりました。

 今は率直に、非常に複雑な心境です。感染を広げてはいけない、周りの人たちを守らなければならない、もし自分が感染してしまったら、チームメートを危険にさらしてしまう…。これは社会全体が持たなければならない意識だし、人が集まる場所への外出は控えなければなりません。感染拡大に加担しない社会的責任があります。

 それと共に、サッカー選手である以上、プレーしたい気持ちは当然、選手全員あると思います。試合をしたい。練習し、自分を向上させたい。そういった思いがあるのも事実です。

 チーム練習は4月9日から中止となり、個人練習が続く中、21日、テレビ電話を使用したトレーニングが始まりました。室内でできるメニューをコーチが見せてくれ、それに取り組んでいます。屋外でのランニングもマスクを着用する条件付きで、30分以内。毎日、体温と体重も報告しています。感染拡大対策、コンディションの維持、双方共に視野に入れ、あらゆる試行錯誤をチームで行っています。

 「今しかできないこと」「今だからできること」、たくさんあります。公式戦が再開された時、試合で勝つために何ができるか、和歌山にどんな地域貢献ができるか。自分たちが今やるべきことを考えて試し、継続するのが今、アルテリーヴォのやるべきことなんじゃないかと思います。

写真=毎日午前9時からのオンライントレーニング。手前に置いたスマートフォンを使い、角島康介コーチが事務所から教えてくれます

(ニュース和歌山/2020年5月2日更新)