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 中心市街地の再生を現場で考えようと、和歌山大学が和歌山市福町にまちづくりプロジェクト室を開設した(写真)。和大まちづくり系研究室の教授や学生が空き物件を自らの手で改修した教室で、今後、授業や研究成果の発表会に使う。システム工学部の金子泰純教授は「まちづくりと言ってもぶらくり丁など市街地を実際に知らない学生が多い。学生が積極的に街に接する機会をつくり、市民と学生の交流の場にしたい」と語る。

 同研究室は地域づくりをテーマにする10人の教授らとそのゼミ生が合同でつくるグループ。南海和歌山市駅周辺の再生や、空き家を活用した市街地活性化などをテーマに研究する。

 プロジェクト室は会社の事務所として使われていたが、老朽化が進み、5年間借り手がいなかった空き物件を活用。1月から壁を塗り直すなど手を加え、教室として再生させた。3月7日にオープニングイベントとして開かれた卒論・修士論文発表会では学生が「市堀川の地域資源としての活用法」「歴史的景観地区の空き家活用支援サービス」をテーマに発表した。

 改修を提案した同学部の小川宏樹准教授は「低家賃で借りる代わりに、改修費をまかなった。遊休不動産に手を加え再生すると、次の借り手が見つかりやすくなる。他の建物にも展開してゆければ」と話していた。

(ニュース和歌山2015年4月4日号掲載)