地元ラジオ局のエフエム和歌山
災害が起こった時、様々な情報を知るのに便利なラジオ。和歌山市塩屋にあるエフエム和歌山は、大雨や暴風、地震などでアナウンサーがラジオ局にいない時、代わりに「AIアナウンサー」が情報を伝えてくれるようになっています。
災害時に活躍
AIアナウンサーは、パソコンに入力した文字を声にして読むシステムです。24時間365日、繰り返し放送を続けられます。パソコンとインターネットがあればどこからでも原稿となる情報を入力できるため、ラジオ局にいなくても放送できます。なお、女性の声の「ナナコ」と男性の声の「八太郎」があります。
2年前の西日本豪雨や大型台風の時、色々な場所の被害状況や、避難場所にどれくらいの人がいるかなどを伝えるのに活躍しました。なお、普段は音楽番組、ニュースなどを担当しています。
大事な情報 24時間
AIアナウンサーが誕生したのはちょうど3年前の2017年7月。作ったのは、エフエム和歌山の山口誠二さんです。
きっかけは2011年、東日本大震災でした。発生から半年後、宮城県仙台市を訪れた時、臨時でつくられたラジオ局が、被災地の情報を1日3回しか放送していないと知りました。「このままだと被災地の最新情報を聞き逃す人が出てきてしまう」と考えた山口さんは、ラジオで24時間、情報を流すためのシステムを開発しました。
山口さんが作ったシステムは今、日本だけでなく、アメリカのニューヨークにあるネットラジオ局でも使われています。「大災害が起こった時、大事なのは情報を手に入れること。もっと多くのラジオ局で利用してほしい」と願っています。
山口誠二さん「防災カバンにラジオを」
テレビは災害の時、停電が起こると使えない可能性が高いです。でも、ラジオは電池があれば動きます。みんなの家に防災カバンはありますか? そこに必ずラジオも入れてください。災害が起こった時、きっとAIアナウンサーが、新しい情報を届けてくれます。
(ニュース和歌山/2020年7月11日更新)