堤川河口部左岸は船揚げ場となっていたようです。

 引き上げられた小型木造船は沿岸漁業に従事する漁船でしょうか。帆柱を備えた木造和船も比較的小型のもので、沿岸航路を行き来するものでしょう。帆柱が林立して加太港の繁栄ぶりが偲ばれます。

 キャプションに「紀伊加太藤本写真部発行」とあって、詳細は不明ですが、「藤本」は明治末期からこのような加太町内を撮影した遊覧記念絵葉書の発行元となっていたようで、深山の重砲兵連隊のものも含め、多数残されています。

 紀国堂店主の溝端佳則さんの古写真コレクションを紹介します。

(ニュース和歌山/2020年7月25日更新)