《回答者》
◆歯科
吉村歯科医院 吉村 義孝院長

 全身の症状とあごの位置とは密接な関係があります。かみ合わせは、①歯とあごの形②あごの位置 ③あごの運動の3つに分類されます。かみ合わせが悪い状態とは、あごがずれていることを言い、頭痛や首こり、肩こり、腰痛などの症状が現れることがあります。

 直立二足歩行の人間にとって、あごは全身のバランサーの役目を果たしています。そのため、あごの位置がずれると、首の骨である頸椎もずれようとし、頸椎のずれを防ごうとして頭・頸部の筋肉が無理に働き、そこが不自然に硬直すると、脳への血流障害が起こります。血流障害は、脳の前頭葉にある運動野の働きを悪くし、脳から筋肉に、無駄な働きをするよう誤った指令を出してしまいます。これが首こりや肩こりの一因だと考えられています。さらに、このような上半身のずれが原因となり、骨盤や股関節がひずんだり、足やひざ、足の筋肉にこりや痛みを引き起こす場合もあります。

 あごのずれを治すと、筋の緊張がやわらいでバランスがよくなり、頸椎から腰椎、骨盤等のずれが是正されるため、様々な症状が解消される可能性があります。痛みやこりでお悩みの方は、一度あごのずれを疑ってみてはいかがでしょうか。

(ニュース和歌山/2020年7月25日更新)