北高2年 楠本一斗さん
和歌山北高校2年の楠本一斗さんが8月21日~23日に開かれた「全国オール学生オンライン将棋大会」で優勝した。「新型コロナウイルスの影響で全国のライバルと対戦できる大会が減り、モチベーションが下がった時期もありましたが、数少ないチャンスを物にできました」と笑顔を見せる。
新型コロナ感染予防のため、将棋も多くの大会が中止に。毎年夏の全国オール学生将棋選手権団体戦も中止となったが、練習の成果を発揮する場をと、日本将棋連盟が代替大会としてオンラインでの個人戦を実施した。
大会には小学生から大学院生まで126人が出場。4ブロックに分かれて行われた予選を突破した楠本さんは、準決勝で大学生に勝利し、決勝に駒を進めた。
相手は3年前、中学生名人のタイトルを獲得した早稲田大学本庄高校3年の近藤圭さん。序盤から優勢に進める楠本さんに対し、近藤さんが中盤以降、反撃を見せる展開に。動画サイトでの生中継で、解説を務めた森内俊之9段が「最終盤の応酬はプロが見ても難解で、非常に見応えある名局だった」と舌を巻いた1時間半を超える一戦は、楠本さんが押し切り、高校生対決を制した。
相手の表情が分からないオンラインでの大会。楠本さんは「自分の手や読みを信じるだけだと思っていました。それが集中力につながったので、プラスになりました」。中2の時に中学生王将戦、中3で全国中学生選抜選手権を制したが、「あの時は連覇、そして2冠を達成できなかった。今回の優勝でそのチャンスをつかめた。来年、地元和歌山で全国高校総合文化祭の一環として開かれる全国高校選手権での優勝も目標の一つです」と思いを新たにしている。
写真=「大会が減っている中ですが、2冠や連覇をねらいたい」と楠本さん
(ニュース和歌山/2020年9月5日更新)