《回答者》

◆整形外科
手・足の外科センター手外科専門医

貴志川リハビリテーション病院
副院長 谷口泰德センター長

 外反母趾は、足の親指(母趾)が第5足指側に曲がって変形した状態をいいます。外見から診断できますが、正確な評価にはレントゲン検査が必要です。

 原因には、遺伝的要因や履物などが関係しています。中高年の女性に多く、履物でいえば、つま先が細くなった靴やハイヒールがなりやすいといわれます。リウマチ患者さんも重度の外反母趾を発症します。

 症状は、足の親指の付け根が内側に突出して、靴に当たって痛み、赤く腫れてきます。足の裏にタコ(胼胝)ができて痛みを伴います。進行すると母趾だけでなく、第2足指や第3足指にも変形や痛みを生じます。

 外反母趾の治療で大切なことは、まず、適切な靴を選ぶことです。足の親指を第5足指側へ圧迫するような先の細い靴は避けます。そして装具療法、運動療法などの保存的治療を行います。保存的治療で効果がなく、痛みが強くなる場合は、手術による根本的な治療を選択します。手術療法には色々あり、母趾の骨を切り矯正する方法や、骨を切らずに変形を矯正する方法などがあります。

 外反母趾は、様々な足の病気の治療を専門的に行っている病院で、経験豊富な医師に相談するのが良いでしょう。

(ニュース和歌山/2020年9月26日更新)