不登校や高校を中退した子どもたちを支える田原学園慶風高校の田原サヨ子校長の半生を描いた『新あきらめたらアカン!』が9月20日、出版された。地元経営者らの評伝を手がける著者の髙田朋男さんは「田原さんは“腕白(わんぱく)女子〟。主婦、母親から教育者、経営者として成長する姿は多くの人に励みを与えると思う」と話している。
田原さんは和歌山大学卒業後、小さな学習塾からスタートし、各種学校を立ち上げた。通信制高校と連携して高卒資格取得を可能とし、福祉コースを設けるなど、生徒個人を重視した教育を模索してきた。2005年には通信制の慶風高校を開校。一方で、グループ会社数社を運営し、女性実業家としても知られる。
8章構成で、紀美野町に生まれ、腕白だった田原さんの生い立ち、教師を志した学生時代、慶風高校開設のために県当局と交渉を重ね開校を成し遂げた姿を紹介。田原さんの選択に、髙田さんが古今東西の格言を重ね、教訓を引き出している。
田原さんは「不登校や中退の生徒たちの励ましになれば、出版の意味は大きい。教育発展のために一層頑張りたい」。髙田さんは「心に響く名言もできるだけちりばめました。人生に悩む人の力になれたらうれしい」と望んでいる。
245㌻、四六判、1320円。宮脇書店ロイネット店、和歌山店、TSUTAYA WAY各店で販売。
写真=田原さん(左)と著者の髙田さん
(ニュース和歌山/2020年9月26日更新)