怖さ:3
川の妖怪
出没地域:熊野地域

 ゴランボウは熊野地域に伝わる河童の呼び名の一つ。ただ、他の河童と違い、毛むくじゃらだとの目撃譚もある。『熊野・本宮の民話』(和歌山県民話の会出版)に、地元のAさんが「河童とちゃうんやで。頭に皿はない、猫みたいな顔をしてチュー言うて川へ飛び込むんや」、またBさんは「動物園のラッコみたいな姿をして、人の尻を抜き取るんや」と話していると聞き取り調査の結果が載っている。これを聞くと獺(かわうそ)の特徴にそっくりだが、高知や徳島に棲むシバテンとも似ている。このシバテンも河童の仲間というから、河童は奥が深い。

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(ニュース和歌山/2020年10月10日更新)