《回答者》
◆脳神経外科
貴志川リハビリテーション病院 亀井 一郎院長
くも膜下出血は「イタッ!!」と叫んでしまうような、今までに経験したことがない激しい頭痛で発症します。
このような突発頭痛は、くも膜下出血を強く疑います。「ハンマーで殴られたような」とか「頭に雷が落ちた」と表現されることがあります。
くも膜下出血は、脳の血管にできた5㍉〜10㍉くらいの脳動脈瘤という血豆状のふくらみが破裂して、一瞬のうちに脳の表面に出血がまわり、急激な症状を起こす病気です。当然、命にかかわる状況ですから、救急車で病院に搬送となります。
ただし、全例が激しい頭痛で発症するのではなく、中には軽い頭痛で起こることもあります。これは脳動脈瘤がちょっとだけ破れて、ちょっとだけ出血が起こる場合で、本発作の前兆と考えられています。前兆発作でもやはり、激痛ではないけれども、今までとは違う頭痛が突然起こり、それが数日続きます。頭痛が治まってきても〝治った〟と思わず、必ず脳神経外科で治療を受けましょう。傷口が小さいほど治癒も良好です。
くも膜下出血は大変怖い病気には違いありませんが、治療が奏功すれば、完全に社会復帰できる病気でもあります。ちなみに、未破裂の脳動脈瘤は脳ドックで発見できます。
(ニュース和歌山/2020年11月28日更新)