新型コロナウイルスにより、暗いムードに包まれてしまった昨年。それでも、2021年和歌山のまちは動きます! 新たなシンボル、大学の開校、文化の祭典…今年の話題をまとめました。(いずれも予定)
街中再生 伏虎中跡に和医大薬学部〜10月には城ホールも
新しい和歌山市民会館にあたる「和歌山城ホール」(写真上)が10月、和歌山市七番丁の伏虎中学校跡地に開館する。
敷地面積約6600平方㍍、鉄筋コンクリート5階建てで、1・2階の954席ある大ホール、395席の小ホールをメーンとする。1階には講演会や各種発表会の会場にも使える展示室、3階にはリハーサル室や多目的スペース、4階には300人が収容可能な大会議室など5つの会議室を設ける。屋上は和歌山城が望める庭園で、ミニステージを設置する。
1階には飲食店が入り、夏ごろに完成予定の和歌山市役所前から続く城前広場の一部も活用する計画で、まちの表情が変わる。
城ホールのすぐ北隣には県立医科大学薬学部が4月、開校する(同下)。薬の開発や衛生薬学の分野で活躍する人材育成を目指す。定員600人の6年制で、4月に100人が入学する予定。地上11階の北棟、体育館が入る南棟があり、2棟をつなぐ渡り廊下部分は図書室になる。
また、理学療法士や作業療法士らリハビリテーションのプロフェッショナルを育てる和歌山リハビリテーション専門職大学が4月、同市湊本町の和歌山市民図書館跡に開校する。専門職大学は一般的な大学と同様の教育機関でありながら、専門職の職業教育を受けられる新しい大学制度で、近畿では滋賀県に続いて2校目。定員は320人で、初年度は80人が学ぶ。
防災 災害発生時の支援拠点完成
和歌山南IC近くに、大規模災害発生時に駆けつけた支援隊の拠点となる「和歌山市消防活動センター」が3月末に完成する。給油と発電設備を備え、普段は東消防署岡崎分署として利用。万が一の際には他地域から支援に来た人たちの宿泊や会議に使う。
岩出市荊本の堀口プール跡は隣の交通公園と、防災公園として3月にオープンする。ベンチは炊き出し用のかまど、マンホールは仮設トイレになり、備蓄倉庫も。1160人以上が避難できる。
また同市では、紀の川と貴志川の合流地点付近の治水工事が3月までに完了する。周辺は台風や大雨の際、住宅の浸水が度々発生。堆積した土砂を撤去し、川底を掘り下げて、最も川幅の狭い地点に水路を新設。洪水発生時の水位を下げ、浸水被害軽減につなげる。
写真=市消防活動センター
文化交流 全国の高校生 夏に集結〜秋は国民文化祭
2021年の和歌山は「文化祭」の年だ。夏は、全国の高校生が一堂に会する全国高校総合文化祭「紀の国わかやま総文」が7月31日㊏〜8月6日㊎、和歌山県内10市町を会場に開催される。
「和 響 創」をテーマに演劇や合唱、美術・工芸、弁論など毎年行われる例年の19部門と県独自の軽音楽や英語、特別支援学校による発表の3部門で開かれる。例年3000校、2万人の生徒が訪れ、観客は10万人に及ぶ年もある。
現在、75人の生徒企画委員がパレードや広報など5部門に分かれてミーティングを重ね、大会に備えている(写真上)。開会式は初日に和歌山市手平のビッグホエールで開催。この後、参加する高校生たちがけやき大通りでパレードを行う。
一方、「文化の国体」とも言われる国民文化祭「紀の国わかやま文化祭」が10月30日㊏~11月21日㊐に開かれる。
「山青し 海青し 文化は輝く」がキャッチフレーズ。県内30市町村を会場に音楽やアート、絵画、詩や俳句、また先人を顕彰する催しなど約130の文化イベントが行われ、和歌山市では開館間もない「和歌山城ホール」も会場として活用する予定だ。
全国障害者芸術・文化祭を同時期に開催。障害を持つ人が取り組む芸術や文化活動を発表し、障害への理解と文化の活性化を図る。
写真下=わかやま文化祭はきいちゃんもPR
医療 日赤にがん治療専門センター
がん医療に特化した「がんセンター」が1月12日㊋、和歌山市小松原通の日本赤十字社和歌山医療センターにオープンする。
本館2階の外来フロアを全面改装。あらゆる段階のがん患者や家族に寄り添うため、胃や肺、直腸など14種類の臓器ごとに専門医がチームを組む「臓器別ユニット」を導入する。
また、仕事と治療の両立や、がんをきっかけに退職した人への再就職について相談できる就労サポートも実施する。
道路 御坊─印南間 阪和道2車線に
阪和自動車道の御坊IC〜印南IC区間で行っている拡幅工事が年内に完了する予定だ。これまで片側一車線で、週末の北向きを中心に渋滞が頻発していたが、9・8㌔が片側2車線に。1車線の対面通行による事故を防止し、渋滞解消が期待できる。
一般道では、工事が進む県道紀伊停車場田井ノ瀬線が北に延伸され、年内に粉河加太線とつながる。
写真=工事中の阪和道青垣内山トンネル
(ニュース和歌山/2021年1月1日更新)