怖さ:0
里の妖怪
出没地域:九度山町
空海(弘法大師)が唐の国より、「真言密教の修行と普及に最適な地に留まれ」と三鈷杵(さんこしょ)を空に投げた。帰国後、その三鈷杵が落ちた場所を探していると、大和の国で白黒2匹の犬を連れた狩人と出会った。狩人は「その場所に心当たりがある。犬に案内させましょう」と言った。この狩人こそ高野山の地主神、狩場(かりば)明神で、2匹の犬に案内された大師は高野山上の霊場を見出せた。案内犬といえば、平成元年ごろから九度山の慈尊院をねぐらとしたゴンがいた。ゴンは朝、出発して町石道(ちょういしみち)を高野山上の大門まで案内し、夜に慈尊院へ戻る日々を送った。白黒2匹の犬とゴン、不思議な縁を感じずにはいられない。
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(ニュース和歌山/2021年1月9日更新)