海南市 谷所清成さん写真展
朝日が柔らかく水面に反射し、その上を優美に羽ばたくアオサギ。この一瞬をカメラに収めたのが海南市のアマチュアカメラマン、谷所清成(きよしげ)さん(62)だ。4年前から撮り続けた加茂川に集う野鳥の写真展を2月7日㊐〜23日㊋、海南市下津町下津の市民交流センターで開く。「1羽のアオサギに勇気や生きがいを与えてもらっている。加茂川は自然豊かな場所。改めて地元の素晴らしさを見直してもらえれば」と期待を込める。
下津町出身。大学で写真を専攻した後、テレビ番組のカメラマンとして活躍した。30代で体調に不安を感じて退職。地元に戻ってからは自分の体と付き合いながらの生活が続く。
毎朝、写真を撮るようになったのは2017年5月。兄を亡くし、母と2人で暮らす中、自宅から歩いて3分の加茂川にレンズを向けた。「幼いころは高度成長期で水質が良くなかったが、今はアユが生息するほど澄んだ川。訪れる野鳥は80種にのぼります」
原動力になった1つに、1羽のアオサギとの出合いがあった。近づいても逃げるどころか、頭の上を飛び、誘うように欄干に止まってくれる。親しみを込め、「アオサギ君」と名付けた。「カメラを構えた瞬間、その先にいるのがアオサギ君だとすぐ分かる。体調が優れない日々を送る中で大きなエネルギーをもらい、感謝しています」。毎朝2時間半、4〜500枚を撮影し、気に入った作品はSNSに投稿。仲間からのコメントにやりがいを感じている。
写真展では魚を食べるアオサギ君のほか、親のカワセミが5羽の子にエサをやる姿、飛べなくなり加茂川に居ついたオシドリに、毎年違うオシドリが会いにくる様子など34点を展示。午前9時〜午後10時。㊊休み。谷所さん(k.tanisho@nifty.com)。
(ニュース和歌山/2021年1月30日更新)