《回答者》
◆循環器内科
みなかたクリニック
南方 常夫院長
米ファイザー社とモデルナ社の新型コロナワクチンにおける有害事象を調査した結果、21年2月時点でアナフィラキシーの発症が接種100万回あたり4.5例認められましたが、この数はインフルエンザや肺炎球菌ワクチンと同程度です。また、アレルギー疾患、花粉症、喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などがあっても、新型コロナワクチン接種には特に問題がないと考えられます。ただ、アナフィラキシーショックの既往のある方、免疫抑制剤を使用中の方、妊娠中の方は主治医にご確認下さい。なお、日本では3月5日〜8日にかけてアナフィラキシーと疑われる症状が女性で8例発症しましたが、全て回復しています。
現在接種が行われているのはファイザー社のメッセンジャーRNAワクチンで、筋肉注射が必須です。皮下には免疫細胞の数が少ないため、皮下注射だとワクチンが免疫細胞と接触する前に効力を失ってしまいます。一方で、筋肉の中は免疫細胞が多く、ワクチンによる免疫の活性化が起こりやすい状況と言えます。また、筋肉は痛みを感じる神経が少なく、注射の痛みも他の皮下注射のワクチンと比べて感じにくいでしょう。不安な方は主治医にご相談下さい。
(ニュース和歌山/2021年3月28日更新)