ある時はライブペイントアーティスト、またある時は木工作家に看板屋…。アートと工作を武器に手掛けた変幻自在の作品が広がりを見せるのが、和歌山市のスドウPユウジさん(42)だ。温かみのある字体で書かれた「テイクアウトOK」の看板を使う飲食店は和歌山市内に約30軒。「自分にとって街は大きな作品会場。自然と溶け込むよう、あえて自分の色を強く押し出さないようにしています」と声を弾ませる。

 大阪府河内長野市出身。幼いころから絵を描くのが好きで、中学生の時に油絵を始めた。アーティストとしては2001年からスドウPユウジを名乗り、音楽と絵画パフォーマンスを融合させたライブペイントはじめ、フジロックフェスティバルや橋の下世界音楽祭など各地のイベントに出演経験をもつ。

 デザインの分野では、ライブハウスが新型コロナウイルスの影響で苦境に立たされる中、SNSで発表した「ライブハウスネバーダイ」と描いたロゴが注目され、全国にステッカーとして5000枚が配布された。

 また、レトロな雰囲気漂う焼き鳥店の看板、あえてサビ加工を加えた商業車を手掛ける時はスドウ図画工作として請け負う。ペンキを何層にも塗り重ねて削り出し、本物のサビがあるかのように描くエイジング加工、様々な大きさや色の木材を組み合わせる木工パッチワークを得意とする。

 「色々挑戦するタイプで、肩書きは特に決めていません。自由に好きなものを生み出す一方で、依頼主の思いも具現化する。この両輪があって自分なのかな。枠に収まらず、これからも製作者として活動していければ」と意気込んでいる。

 詳細はHP「スドウPユウジ」。

写真=茶色のペンキを使ってサビを生み出すスドウさん

(ニュース和歌山/2021年4月3日更新)