紀州の香りでリラックスしませんか——。海南市藤白の酒造メーカー、中野BCは4月16日、県産のかんきつ類から抽出した精油「フレグラント紀州—和香(わか)」を発売した。温州みかん、三宝柑、甘夏、ユズ、レモンの5種類あり、女性社員10人が2年かけて開発した。研究員の大西紗与さんは「部屋でたいたり、オイルやクリームに混ぜてボディトリートメントに使ったりして、天然の香りを楽しんで」と話している。
精油は植物の花や葉、果皮から抽出する高濃度の香料。和香は有田市の伊藤農園でジュースを作る際に捨てられる果皮を再利用した。1本5㍉リットルに温州みかんは90個分、ユズは66個分の皮を使う。
通常、かんきつ類の精油は搾って作る圧搾法が主流だが、中野BCは冷凍した皮を粉砕する技術を開発し、蒸留酒を造るのと同じ水蒸気蒸留法で抽出。かんきつ類の精油に含まれることが多い、紫外線に当たると肌に刺激を与える光毒性成分を除くのに成功した。
香りは県産かんきつ類20種類の中から、和歌山市のアロマ専門店、ラ・ベルビーにアドバイスを受け、5種類を厳選した。甘さと酸味のバランスがとれた落ち着きのある三宝柑、搾りたての爽快(そうかい)感漂う香りで気分をリフレッシュさせるレモンなどそれぞれに特徴がある。
大西さんは「和香には国産の〝和〟、和歌山の〝和〟、リラックスする和みの〝和〟の意味があります。今後は山椒やしょうが、熊野杉などほかの和歌山の香りにも挑戦したい」と笑顔を見せる。
1本2160円。同社で販売。同社(0120・050・609)。
(ニュース和歌山2015年4月18日号掲載)