1面でお伝えした『ニュース和歌山が伝えた半世紀』。読者の方々が生きた時代、場所が登場する。手にとって頂ければ、本の中をめぐるような気持ちで楽しんでもらえるのではないだろうか▼本のため新たに書き加えた、1964年から2014年までの記事の列挙は読み応えがあると思う。各年の主立ったニュースを一覧にし、面白いものを1年につき1〜2本取り上げた。ここがニュース和歌山。大きな事件事故はほぼない▼国語の入試での「ざ」と「だ」の乱用、自動販売機だけのレストランオープン、団地での駐車場の場所取り合戦など…今の常識からは「えっ?」と驚く小ネタも多い▼1978年は、経済センター地下の壁に浮かんだしみが「母子像」に見えると騒ぎになった記事を再録した。当時、オカルト的話題として全国に伝わったが、背景には和歌山大空襲の惨事がある。歴史に残らない出来事だが、留めるべき街の記憶だ。小さな話題から確実に時代がみえる。本紙の役割もよくみえた。(髙垣)
(ニュース和歌山2015年4月18日号掲載)