【秀吟】
顔よりも足がもの言う時もある 柳 秀子
遠足がいつの間にやらバス旅行 根田よしこ
夕焼けに足長くなるシルエット 宮野みつ江
三脚に背を向けている自撮り棒 北口 豊
二駅を足で稼いでお茶にする 井上 文子
片足を上げて靴下まだ履ける 定松 宏枝
伴走者と足並み揃え踏むゴール 松浦 英夫
表彰は徒競走でのものばかり 福島 一雄
花びらの絨毯足が拒否をする 石田ひろ子
勇み足心の中を整理する 北山 絹子
襟足を見せて小意気な風が吹く 今 一歩
どこへでも出掛ける足にありがとう 次井 義泰
インプットされて自然に動く足 山裾かず子
きっちりと座れる足に感謝する 岡本 昇
健脚が唯一自慢いまんとこ 田中 みね
こはぜ知る律儀な足袋の右ひだり 米澤 俶子
素足から消費期限がバレてくる 宇野 幹子
戦争と平和昭和を駆けた足 川上 智三
【寸評】
片足を上げて靴下まだ履ける 定松 宏枝
きっちりと座れる足に感謝する 岡本 昇
評 元気なバロメーターの体力維持に努めたいものです。このように川柳の材料は身の回りにいくらでもあるものです。
インプットされて自然に動く足 山裾かず子
評 どちらの足から歩くなどと意識しなくても歩けますね。「インプット」とは言い得て妙。
※5月の兼題は「迷う」。5月14日(木)必着。
1人3句までです。応募は〒640・8570ニュース和歌山編集部「和歌山三幸川柳会」係へ。
(ニュース和歌山2015年4月18日号掲載)