《回答者》
◆循環器内科
みなかたクリニック
南方 常夫院長
ファイザーとビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンは有効率(発症予防効果)が95%といわれています。
しかし最新の報告では、わずかではありますが、ワクチン接種後、新型コロナ発症リスクがあり、さらに変異株に感染する可能性があることが示唆されています。また、すでに新型コロナに感染し、回復した人にもごくまれに再感染のリスクがあります。この場合、重症化率は低く、症状も軽いかもしれませんが、周りの人に感染させてしまうおそれがあります。
自然感染で得られる免疫とワクチンとでは、感染を抑える仕組みがやや異なります。新型コロナのウイルスは、表面にある突起物「スパイク蛋白」を使って人体に侵入しますが、ワクチンは、このスパイク蛋白を標的としており、自然感染によって得られる抗体反応よりも、特異的な感染防御機構が働くと考えられています。
これらのことから、ワクチン接種は重要で、接種後も予防対策、感染の診断、変異株の特定を続ける必要があります。
一方で、変異株に対しても有効なワクチンが開発されつつあります。ワクチン接種が始まりました。接種に関しては、主治医とよくご相談ください。
(ニュース和歌山/2021年5月23日更新)