和歌山バス ほか8ヵ所も改称

 和歌山バスは6月23日㊌、停留所名「公園前」を「和歌山城前」にするなど、9ヵ所の名称を変更する。「公園前」の変更は、市民や和歌山市からの要望を受けたもので、1912(大正元)年に当時の市電運営会社が停留所名を「公園前」にして以来、109年ぶりに名称が変わる。

 和歌山城一の橋前の停留所は1909(明治42)年の市電開通時は「一の橋」だった。大正元年に「公園前」となり、71年に市電が廃止され、その後、バスの路線のみになってからも名は引き継がれた。現在、和歌山バス18路線55系統あるうち、半分以上の31系統が通過する。

 しかし、和歌山県外から訪れる人に向け、「公園前では分かりにくい」との声が以前からあった。昨年11月には和歌山市のラジオパーソナリティ、中谷哲久さんが自らの番組に『ふるさと和歌山城』の著者、水島大二さんと本紙社員を招いた際、「『和歌山城前』が望ましい」とこの話題を取り上げた。中谷さんは変更に向け、「運動をします」と宣言。県議、市議や行政関係者に働きかけた。

 和歌山バスは、観光客への分かりやすさや市民会館移転など中心市街地の再編をふまえ、「和歌山城前」への変更を決定した。和歌山バスの担当者は「『和歌山城前』だと一目で分かるし、和歌山を訪れた人に説明しやすくなる。コロナが明け、駅から和歌山城へ来てもらう助けになれば」。中谷さんは「秋には和歌山城ホールが完成する。『和歌山城』がキーワードになり、江戸情緒のあるまちづくりが進む相乗効果が生まれてほしい」と期待している。

 これ以外にも、市電開通時からの停留所名だった「車庫前」を「高松北」とするほか、「市民会館前」を「湊本町三丁目」、「アパート前」を「松ヶ丘」、「住金海南正門前」を「船尾西」にするなど、8ヵ所を現状に即した名称に変える。

写真=100年以上の時を経て名称が変わる「公園前」和歌山バス停留所

(ニュース和歌山/2021年6月19日更新)